「歴史は勝者が書く。でも今回は、オークが書いた」
『オルクセン王国史〜野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか〜』(著:樽見京一郎)は、その挑発的な副題通り、“異世界ファンタジーの常識”に真っ向から挑む、知性と戦慄が同居する異色の戦記シリーズである。
第5巻で描かれるのは、ついに勃発したネニング平原での大規模戦闘。これまでの外交的駆け引きや戦略的な布石がすべて実を結び、オルクセンとエルフィンド、両国のすべてを賭けた一戦が始まる。その戦場には、美しきエルフの矢も、醜悪と蔑まれたオークの槍も等しく血を浴び、空には正義も悪もない戦火が渦巻く。
“平和なエルフ”vs“野蛮なオーク”――そんな記号的な構図を巧みに裏返し、歴史の裏側にあった“誰にも語られなかった動機と選択”を明かしていく本作は、まさに異世界版『戦争と平和』とも言うべき重厚さ。
オルクセンという国家は決してただの“蛮族連合”ではない。戦争に至るまでの経緯には、腐敗した外交、差別と偏見、資源争奪、そして平和という名の現状維持にしがみつくエルフ側の無関心と傲慢さが巧みに織り込まれている。
巻を追うごとに深まるのは、キャラクターたちの立場と信念の対立。特にオーク側の若き軍師や老練の指導者たちは、“生きる”ために戦争を選んだその論理と激情を真正面から語り、読む者の倫理観を揺さぶってくる。

戦闘描写も圧巻で、ネニング平原で繰り広げられる会戦は、まさに“鉄と血の叙事詩”。魔法と剣、戦術と感情が交差するその瞬間瞬間に、ファンタジー世界ならではのスケールと人間くささが同居している。
また、本作の魅力は“歴史書形式”の語り口にもある。架空の年代記という体裁をとりつつ、緻密な年表、地図、証言風記述などが随所に盛り込まれており、まるで本当にあった異世界の歴史書を紐解いているかのような没入感を提供してくれる。
以下は本作を無料で試し読みできる公式サイト:
- 【DMMブックス】 https://book.dmm.com/
- 【コミックシーモア】 https://www.cmoa.jp/
- 【ebookjapan】 https://ebookjapan.yahoo.co.jp/
- 【まんが王国】 https://comic.k-manga.jp/
- 【LINEマンガ】 https://manga.line.me/
特にebookjapanでは、巻ごとの史料特典付きキャンペーンなどもあり、歴史マニアにも強く訴求する構成。
「真実とは、必ずしも“正しい者”が持っているとは限らない」
そんな冷徹で残酷な現実を、異世界戦記という形で描き切る『オルクセン王国史』は、まさに現代に問いかける歴史エンターテインメント。
あなたの“常識”が、またひとつ壊される瞬間が、ここにある。