「魔法師は、ただの戦力であってはならない」
都市の夜景を見下ろす高層ビルの最上階。達也のその言葉は、静かに、けれど確かに部屋の空気を変えた。
『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』（著：佐島勤）は、伝説の“劣等生”だった司波達也の物語の“その後”を描く続編シリーズ。今作では“魔法師の社会的地位”と“国家間の勢力図”という、よりリアルで骨太なテーマに挑む。
四葉本家への襲撃事件をはじめ、大亜連合、新ソ連といった強国からの武力的圧力を退けた達也たちは、ようやく束の間の平穏を手にする。だがその裏では、恒星炉（ステラファーネス）という技術をめぐり、再び世界が達也の元に集い始めていた。
今巻では、魔法を“武器”ではなく“エネルギー”として昇華させるプラント技術が大きく取り上げられる。各国の利権と思惑が交錯する中、達也はただの戦略家ではなく、理想を掲げる“建設者”として動き始める。
注目すべきは、彼が“誰のためにその技術を用いるのか”という姿勢だ。妹・深雪との絆を軸に、周囲の信頼や覚悟がひとつずつ積み重なっていく。その関係性が、戦闘だけでなく“平和”のための礎になっている。
もちろん、“劣等生”らしい圧倒的な戦闘描写も健在。だが今回はそれ以上に、“次なる時代”をどう築いていくかという問いが物語全体を貫いている。
- 魔法で戦争を終わらせる
- 魔法で人々の生活を支える
- 魔法師に“人間らしい明日”を届ける
それが、メイジアン・カンパニーの真のミッションであり、司波達也という“最強”が選んだ道。
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劣等生だった彼が、世界を変える“中核”となる時代へ。
その静かな革命の続きを、ぜひ見届けてほしい。
