――「うわ、ぴっちりスーツとか罠じゃん……！」
ヒロは嘆いた。だが、感染症が蔓延し、治安が完全に崩壊したコロニーで、そんな軽口すら命取りになる。
『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい』（著：リュート）は、“異世界×宇宙×傭兵”という前代未聞のジャンルを軽妙にまとめあげたサバイバルSFアクション。
一見、チートと無双で突き進むタイプの物語かと思いきや、実は緻密な世界構築と、キャラクターたちの過去と現在がしっかりと絡み合った、極めて丁寧な群像劇だ。
今巻の舞台は、ティーナのかつて育った孤児院が存在するコロニー。だがそこは、今や“絶望”に支配された星だった。疫病、飢餓、略奪。そして、かつての仲間たちの悲惨な変貌。
ヒロたちは、防護スーツに身を包みながら、わずかでも希望をつなぐために動き出す。ショーコ先生による特効薬の開発、物資輸送の護衛、そして治安回復のための傭兵活動。
だが、それらの任務の根底には、たったひとつの願いがある――「宇宙のどこかに、自分たちだけの“居場所”を持ちたい」。
- ハイテク兵装による圧巻のバトルシーン！
- 孤児院の子どもたちとの絆が心を打つ。
- “家”をめぐる物語が、こんなにも熱くなるなんて！
決して“ホームドラマ”ではない。だが、“ホーム”とは何かを真剣に問う、実は極めて人間臭い冒険譚。
銀河の片隅で、傷つき、迷い、戦いながら、それでも「家が欲しい」と願う男たち。装備も船もある。でも、足りないのは“心が帰る場所”。
読みながら、あなた自身の「居場所」について考えさせられるはずだ。
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最強装備があっても、戦いが終わらなくても、男たちは夢を見る。
――目指すは一戸建て。
この不条理な宇宙で、一軒家の明かりが灯るその日まで。
